「入社式」などの企業イベントは、採用者が社会人としての自覚を持ち、スタートを切る節目となるイベントです。新型コロナウイルスの影響が長引く中、4月には入社式が迫っている中で“オンライン化”している企業も増えています。
と言ってもオンラインでの開催は、対面での式典とは異なる部分が多くイベント担当者様の中には「どのように準備を進めればいいのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるようです。
そこで今回は、オンライン入社式の目的や開催方法、演出などについてお話しします。
最近はオンラインの入社式も増えている?
就職情報サービスを展開するディスコが発表した調査結果によると、入社式開催予定の企業のうち、対面のリアル開催のみを予定している割合が8割弱。入社後の研修では4割弱がオンラインを活用する予定ですが、入社式では顔を合わせることを重視する企業が多いようです。
2021年4月入社の入社式については「開催する」が84.2%。開催予定の企業のうち、形式は「リアル・会場型のみ」が76.2%と大多数を占めました。「リアルとオンラインの併用」は16.9%、「オンラインのみ」は6.9%でした。
企業規模別にみると、従業員数が少ないほど対面開催が多いようです。「リアル・会場型のみ」の割合は、従業員1000人以上の企業で61.9%だったのに対し、300~999人では77.3%、299人以下では87.6%に上りました。一方、入社後の新入社員研修の形式は、「リアル・会場型中心」が50.6%と最多でしたが、「リアルとオンライン半々」が25.2%、「オンライン中心」が11.5%と、入社式よりもオンラインを活用する企業が多いようです。オンラインを取り入れる企業は計36.7%でした。
特に、従業員1000人以上の企業では「リアルとオンライン半々」「オンライン中心」が合わせて47.4%と、「リアル・会場型中心」(38.5%)を上回わりました。新入社員研修についても、企業規模が小さいほど対面中心の開催予定とする企業が多かった。
入社前の内定者フォローの形式については、「基本的にオンライン」が45.2%、「リアルとオンライン半々」が32.8%となり、「基本的にリアル・対面」は22.0%でした。入社前にはなかなか対面でフォローする機会を持てない状況だったようです。
調査は、1月27日~2月5日にインターネットで実施。全国の主要企業1174社から回答。
オンライン入社式とは
ではオンラインでの入社式とはどのようなものなのでしょうか。
まず方法としてはzoomを使った方法とYouTubeライブを使った方法にが多いようです。
zoomの場合の良さは何と言っても出席者全員の顔がよく見えることです。企業で利用する場合は有料プランにて利用いただくのが無難です。出席人数によってプランをお選びください。
YouTubeライブのメリットはzoomに比べて画質が良い点です。例えば、会場でリアルの入社式を行い来場しにくい地方の出席者がその様子をオンラインで観覧するようなケース、zoomでは対応しきれない大人数のケースに向いています。
オンライン入社式の目的
・内定者同士のつながりを強化
同じ企業の内定者同士であっても、「内定式で顔を合わせたきり交流がない」という方のほうが多いようです。入社式で内定者同士が顔を合わせ、交流をすることで同期のつながりが深まります。
入社式の時点で仲間意識を共有できれば、新入社員研修や実務などがスムーズになる可能性が高くなるでしょう。
・会社理解、文化の浸透
新入社員は面接や会社見学、説明会などで会社に足を運んでいますが、それは会社の一部を理解しているに過ぎず、もっと理解を深めてもらう必要があります。
入社式で会社の事業内容や社風に触れることで、より深く会社を理解し、愛着を持ってもらえるようになります。
・社会人としての自覚を形成する
新入社員の中には学生気分がまだ抜けていないという人も珍しくありません。特にインターンシップなどで働いた経験がないと、「社会人としての自覚」を持つのは難しいのではないでしょうか。
社会人としてしっかり自覚を持ってもらいたいのであれば、入社式で新入社員に決意表明をしてもらったり、先輩社員の話を聞いたりする時間を取るとよいでしょう。そうすることで社会人の自覚が芽生え、実務スタート後も仕事モードに入りやすくなります。
・既存社員のモチベーションアップ
入社式の構成に既存社員を組み込むことで、既存社員のモチベーションアップを図る企業も増えています。新入社員の決意表明を聞いたり、既存社員のプロフィールや業績を紹介したりすることで、仕事に臨む気持ちに変化が現れることがあるのです。モチベーションがアップすれば、生産性の向上・チームビルディングの強化などの効果も期待できるでしょう。
オンライン入社式の演出
オンラインで入社式を行う場合、演出面にも気を使いたいところです。例えば入社式スタートのタイミングでオープニングムービーを流すとメリハリが付き、オンラインのクオリティも上がります。
入社式の式次第事例
入社式の式次第は式典の進行をスムーズにし、時間内に終わらせるためにも重要なものです。
実際の入社式次第事例を紹介します。
事例①
1.開会の辞
2.経営理念唱和
3.社長・役員のあいさつ
4.入社辞令書の交付
5.内定者のあいさつ、決意表明(全員もしくは代表者)
6.閉式の辞
新入社員と役員等でおこなう場合の、シンプルな式次第です。
5に関しては内定者が少ない場合は全員で自己紹介をしたり、決意表明をしたりする場合が多いでしょう。
事例②
1.開会の辞
2.祝辞
3.社長あいさつ
4.先輩社員から歓迎の言葉
5.入社辞令書の交付
6.役員およびスタッフ紹介
7.謝辞
8.閉会の辞
こちらは中小企業でおこなわれた入社式の式次第です。
既存スタッフによる挨拶を盛り込み、新入社員を大いに歓迎する内容になっています。
アットホームな雰囲気でありつつも、全員の一体感や仕事への前向きな思いが味わえる入社式になるでしょう。
オンライン入社式の準備
リモート参加者に対し、企業はまず「参加者宅のネット・IT環境」を把握しておく必要があります。
オンライン入社式・内定式に参加するには、安定した通信環境とPCやタブレットなどのデバイスが必須です。
そのため、参加者には早めに聞き取りをおこない、当日までに環境が整うようサポートすることが大切です。
新入社員にPCやポケットWi-Fiなどを支給・貸与する場合は、「ギリギリになってからトラブルで接続できない」ということがないよう、必ず日にちに余裕をもって準備・発送しましょう。
また、リモート参加では紙の内定証書や資料、WEB会議ツールのログイン要項、式次第などをあらかじめ送付しておくことも大切です。当日に問題なく使えるかをチェックするためにも、WEB会議ツールでテスト接続をしてもらい、問題なくつながるか、ツールをスムーズに使えるかなどを確認しておくと安心です。
新入社員や内定者の中には、自宅環境の事情(家族と同居しているなど)によりリモートでの参加が難しい場合があります。自宅が映り込んだり、盛り上がって大きな音量が出たりすると、家族や近隣住民に迷惑がかかってしまう場合があるからです。
とはいえ、「オンラインでの入社式・内定式だから、何が何でも参加してもらう」という姿勢はNGでしょう。参加者に無理強いして「パワハラ」と捉えられれば、内定辞退・早期離職などのリスクにつながりかねませんし、家族からの理解も得られにくくなります。
近年では内定者フォローの一環として「家族へのアプローチ」を取り入れている企業も多いほど、家族からの理解というのは重要な要素なのです。マイナスイメージを持たれてしまう方法での開催は避けたほうがいいでしょう。
自宅が写り込むのを避けたい場合はzoomを使うとバーチャル背景が使えますので、あらかじめ企業がバーチャル背景を作って参加者に配布しておけば、全員の背景が企業のコーポレートカラーやロゴなどで統一できて、見ていてもきれいですし参加者のプライベートも守れておすすめです。
オンライン参加が難しい人に対しては、従来のオフライン方式(会場での対面式)で開催をするなどの対応が必要です。
オフライン方式といっても参加者全員を会場に集めるのではなく、「希望者は会場から参加してもらい、式自体はオンラインで他の参加者と共有する」といった手法もあります。
入社式・内定式は参加者にとっても、企業にとっても節目となる重要イベントです。
できる限り参加者全員が納得のいく方法で式典を開催するのが、企業としての務めだといえるでしょう。